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人物画初期稿およびその後の変遷

  兄弟・初期稿。

  尚太郎は「頬に肉をつけてほしい」(帰還後とはっきり差別化したかった)「眉を太目に修正」以外はそのまま。

  芳次郎は「時代考証から多少外れてもいいから髪にボリュームを出してほしい」(尚太郎と差別化したかった)「釣り目に修正」「寝ても起きても飯食っててもこの世のすべてが不愉快でならなくてぶすっとしているかんじに表情を険しくしてほしい」と依頼。デフォの表情を険しくしたためか、表情差分の怒が大層へちゃむくれになっていて爆笑しました。

  帰還後尚太郎・初期稿。

  「(そ、そうだよな、帰還兵のリアルはこうだよな…!)容赦なく描いてもらえてありがたいです」

  「痛々しさの加減はお任せしますので、もうちょっとかっこいい方がいいとかあったら仰ってくださいね…」

  「すみませんこのままだと芳次郎に恋愛的に勝てなさそうなので、もうちょっとマイルドにしてください。きっと復員船で弁当くらい食わせてもらってると思いたいので顔色もよくしてください」

  みたいなやり取りの末に、現行のものに変更しました。乙女ゲーとしては正しい判断だったと思いますが、戦時ものとして正しかったのかは今でもわかりません。

  秋江・初期稿。ここから可愛い方向に寄せてもらいました。

  羽織の色柄はびずるさんに丸投げしたところ、とても綺麗な色柄を描いてもらえました。

  「この羽織、アールヌーボーっぽくて可愛い! ってことは時期的に、母親の娘時代の着物を仕立て直したのかな! でもこの人の実家は流行りの着物を仕立てるような余裕、なかったような……」

  と考えた結果、「事情を知らない秋江が父の妹の着物を羽織にして着ている」という地獄の設定が誕生しました。

  おそらく秋江は蔵で偶然可愛い着物を見つけて「まあ可愛い」と喜び、両親の間に漂うものっそい微妙な空気に気づかず羽織にしたのでしょう。(秋江の父・母・父の妹の修羅場の詳細を知りたい方は、当サークル別作品りんかねをプレイしてね!)


日々雲隠れ